ルオー「夕暮れ」
1952年 カンヴァス 油彩 32.5ｘ40.5ｃｍ 東京 個人蔵
｢夕暮れ｣のテーマには｢秋｣と同じように人生の終末を暗示するところがある。
しかし，ルオーの作品は輝くばかりの色彩の饗宴である。赤，黄，青，それに黒と白の色彩が，生命の賛歌をうたい上げているようだ。
この作品に登場する人物はイエスと彼を取巻く人たちであろう。スーラなどの作品に前例があるように，画面の周辺に額縁が描かれている。スーラの場合とは異なり大きな色斑で飾られたこの額縁は，絢爛たる色彩のオーヶストラをさらに盛り上げる効果を果たしている。
