ゴッホ 1888年 油彩 カンヴァス ボストン美術館
オーヴェールの家を描いた作品のなかではもっとも多色の力強い作品の一つである。
おそらく,オヴェール時代の最初に描かれた作品だろう。筆触も特有の渦(うず)をくりかえし,前景の古いわらぷきの農,中景の家並み,遠景が,複雑な構図であるにもかかわらずみごとな統一性をたもっている。
曲りくねった道が近景と中東を結びつけている。セザンヌもオヴェールで類似の作品を描いたが,モティーフを見いだす芸術家の眼の鋭さを物語っているといえよう。こうした風景や農家はゴッホの故郷のブラバントのことも想起させたようである。
南仏に別れを告げることにひどい悲しみをおぼえたゴッホであったが、北方もまた彼に郷愁の喜びを感じさせた。この作品は、そうした喜びの表現例の一つである。
この作品推薦します。
画面中央の赤い屋根、モクモクと浮かぶ白い雲、家を囲む緑の草木、波のようにうねった藁ぶきの屋根。
ゴッホ特有のメルヘンチックな作品だと思いませんか。
ゴッホの目には村の景色がこんな具合に見えていたんですね。
ゴッホは弟テオへの手紙にも書いています「どうやら、僕の目は他の人たちと違うようだ」