マティス「エトリアルの壺のある室内」
１908年
1938年以降に活動の拠点とした、南仏ニース近郊のホテル・レジナで措かれた。画面右に見える黄土色の壷が、題名の「エトルリアの壷」。
エトルリアは、古代イタリアの都市国家群で、装飾的な美術を発展させた。左上の壁にはデッサンがいくつかあり、また女性の真後ろの窓のように見える部分も ≪森の中のニンフ≫（1935〜42／43年 ニース、マティス美術館）という作品だ。マティスは、異国情緒が漂うこの空間を気に入っており、≪眠る女性と静物≫（1940年 ワシントン、ナショナル・ギャラリー）など、同様の作品を何点か仕上げている。
