第一回印象派展

1874年4月15日、パリ、オペラ座にほど近いカピュシーヌ大通り35番地で「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社の第一回展」という名のグループ展が開かれた。この展覧会がその後に続く「印象派展」のスタートでした。当時の美術界の権威サロン(官展)の美意識や審査基準に違和感を覚えていた若い画家たちによって古典的な美術界に新しい風を吹き込みたいとの思いからの行動でした。

会の発起人は年長のピサロ(43)を中心にモネ、ルノワール、シスレー、ドガ、セザンヌ、モリゾなどでした。今でこそこの名前を見ればそうそうたるメンバーですが当時は全く無名の画家ばかりで、30名の参加者の多くがただ自身の作品(160点)を販売したいがために集まった烏合の衆の展覧会といえましょう。

モネ 印象・日の出
モネ 「印象・日の出」

第一回印象派展に出品した作品

印象派と呼ばれる画家たち

上の作品はモネの「印象・日に出」ですが、批評家ルイ・ルロワは風刺新聞「シャリヴァリ」紙に「何たる勝手気ままさ、未完成の壁紙だってこの作品に比べれば仕上がっている」とからかった。このことから皮肉なことに『印象派』という名で呼ばれることになった。

1か月の開催期間での入場者数は3500人ほどでまずまずであったと言えるかもしれないが40万人入場するサロンと比べれば微々たるもので、販売もいまいちでした。ドガやモリゾに至っては一点も売れず結局このグループ展は失敗といえるでしょう。しかし、彼らはこの失敗から多くのことを学び次の第二回展へと進むのでした。

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