モネ「草上の昼食」不思議な展示

上野の東京都美術館で「プーシキン美術館展」始まりました。この展示会ではモネの「草上の昼食」を観覧することが出来ますが、それは油彩によるスケッチです。

モネはこのスケッチをベースにしてアトリエでサロンに出展しようと大作を制作しました。その作品がパリのオルセー美術館に展示してあります。

今日はその作品についてお話ししましょう。                 オルセー美術館では、左に縦長の作品、右に四角く高さの低い作品が展示してあるのですが何とも奇妙な展示に見ます。

この作品、1878年、借家の大家に家賃のかたに取られてしまったとのことです。1884年、モネはこの作品を取り返すのですが作品の傷みがひどいため、その部分を切り取り、残った部分を二つに分けました。左の縦長の部分は何人もの手に渡りルーブル美術館へ寄贈され、オルセーへ、中央の部分はジベルニーのアトリエに掛けてあったものをオルセーにといった具合になり、今日まで中途半端な状態で展示してあるわけです。全体のサイズは418x560(?)cmぐらいではないかと推定されています。

何せ、大きな作品なのでスケッチをもとに室内で描いたわけですから、屋外で光や風を感じながら描く印象主義者のモネとしてはこの作品について不満を持っていたようです。

しかし、大家に家賃のかたに作品を持っていかれてしまったというのもモネらしい逸話ですね。また、大家もずいぶんずさんな管理をしたもので今日のモネの評価を知っていたらこんなことにはならずにすんでいたでしょう。

作品の購入はギャラリーアオキ「草上の昼食」

 

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