ルネサンス期とその前後の宗教画に『東方三博士の礼拝』を描いた作品を多く観ます。この「東方三博士」とはいったい誰なのでしょう。
「東方三博士」とはヨーロッパ、アジア、アフリカ三世界の占星術師のことです。
①カスパール 世代は老年、地域はヨーロッパ、キリストに与えられた王権の象徴である黄金を持つ。
②メルキオール 世代は壮年、地域はアジア、キリストの神聖を象徴する乳香を持っている。
③パルタザール 世代は青年、地域はアフリカ、キリストの死を象徴する没薬を持っている。
この三博士がユダヤのヘロデ王のもとにやって来て「未来のユダヤの王が誕生した」という星の知らせを告げるとヘロデ王は「私もその子に敬意を表したい」と言い、三博士にその子、キリストの居場所を突き止めるよう指示します。 三博士は星に導かれ無事にベツレヘムにたどり着きキリストに贈り物をささげるのですが、「戻ったらヘロデ王に殺される」という天使のお告げにより三博士は王の下には帰りませんでした。ヘロデ王は彼らが帰らないことで救世主の出現を確信しました。
『東方の三博士』は『東方の三賢者』とも呼ばれており、またいくつかのキリスト教会では三博士の名前を別の名前で呼ぶところもあります。