名画

「名画」とは・・・・・・・・・・・・、一般的には有名美術館に所蔵、展示されている作品が名画として扱われています。確かにそうした作品には有名な絵画が多く含まれておりますが、それは美術関係者による評価によるものです。

名画を定義づけるなんて意味のないことかもしれません。「どんな作品が名画か」などは極めて主観的な判断によるものですから理屈ではないのです。私たちが美術館などで絵画を観て楽しさや驚きをを感じるのはその作品が持つ時代背景や物語を知った時、作品に込められた画家の思いに共感できた時、色彩の鮮やかさに見とれた時、リアルな表現力に驚いた時、そうした時に絵画のすばらしさと奥深さを感じます。そして、そうした感動が何日も続き、忘れられない絵画となった時、それが自分にとっての名画となるのではないでしょうか。

人それぞれに年齢や性別、育った環境や現在の立場など千差万別なのですから絵画に対する思いも人それぞれです。しかし、それでも時には誰かと同じ感動を味わいたいと思うのは私だけでしょうか。私にとっての名画が彼や彼女にも「名画」と感じてくれたら感動や喜びはもっと膨らみます。

上の作品はルイ・ダヴィッドが1787年に描いた「ソクラテスの死」という作品です。ニューヨークのメトロポリタン美術館で観た私の好きな絵画の一つです。けっして明るく陽気な作品ではありません。それどころか死をテーマにしている作品なのです。今,毒杯をあおり死にゆくソクラテスを中央にその弟子たちが嘆き悲しんでいる場面を描いたものですが、この作品のドラマティックな構図とリアルな描写、絶妙な光と影のバランスなどに強く感動したことを思い出します。

上の作品はミレーの「子供たちに食事を与える農婦」です。こうした光景はいつの時代もどこの国でもあったであろうと思います。当時の画家たちがサロンの入選を目指して大作の製作に明け暮れていた時に農家の日常のありふれた出来事をテーマにして描くことに新鮮さを覚えます。この作品には何の寓意性も感じられません。ただ,観たままでよいのです。この作品には「家族の幸福」という人類普遍の大きなテーマが描かれているのです。私にとってはこの作品も名画です。

ギャラリーアオキでは作品の紹介や解説、販売を行っております。

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