日本人はモネが好き(2)

モネと言えば「印象派」という言葉が浮かんできます。
1874年の展覧会に出したモネの作品「印象・日の出」が批評家の間で「最悪の作品」として評判になったことが「印象派」といになっています。
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ある批評家は「なるほど、印象といえば確かに印象のようだが、これなら小学生が描いた絵のほうがまだましだ」と言ったそうです。
しかし、モネの作品の中でこのように書きなぐったように描かれた作品は他には見当たりません。おそらくアカデミズムな批評家たちに一撃を加える目的で描かれたのではないでしょうか。モネは批評家たちの最悪な評価を聞いてほくそ笑んでいたに違いありません。
この展覧会以降モネたちのグループ自ら「印象派」と名乗るようになりましたが、実際にはいろいろなジャンルの画家たちが混じっており今日まで印象派画家といわれる作家はほんの数人でしかありません。
そもそも、「印象派」の定義も大雑把で曖昧なものなのですが、印象派といわれる画家にはモネを筆頭にピサル、シスレー、ルノワールなどがおりますが共通項は全体にやわらかく「季節や風、光や香り」など豊かに感じる作品が多いように思えます。
そのあたりが日本人の感性と符合するのかもしれません。

日本人はモネが好き(1)

どうして日本人はモネが好きなのでしょう?
ルノワール、セザンヌ、ピサロ、シスレー、ゴッホ、ルソーなど印象派画家、ポスト印象派画家の作品が日本人には好まれます。
中でもモネの作品は非常に人気があります。年齢や性別に関係なく日本にはモネのファンが多いように思えます。
モネの作品には風景画が多くどの作品からも爽やかな風を感じます、また、人物も描かれていますがその風景に自然に溶け込み作品全体から初夏の風のように心地よい感触を受けます。
太陽の光と白い雲、そして緑の草樹の間を吹き抜ける爽やかな風、そうしたものが日本人の感性と連動するような気がします。
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「ジャポニズム」とゴッホ

「ここの自然がいつまでも好きなことは今後も変るまい、それはまるで日本美術のようなもので、一度好きになると決して飽きないのと同じだ」
これはゴッホが南フランスのアルルにいたころ弟テオにあてた手紙の中の一部です。南フランスの空気が日本のように新鮮で開放的だとも話しています。もちろんゴッホは日本に行ったこともないわけですから想像上の「日本イメージ」なのですが日本人にとってみればチョット嬉しいような気がします。

 

19世紀後半ヨーロッパにジャポニズムの波が押し寄せた時代にゴッホも浮世絵に熱中し、弟テオと展覧会を開いたこともあるほど日本美術に夢中になりました。
下の作品では「雨を線」で描いています、ヨーロッパ絵画にはないです。
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ゴッホ 日本趣味「雨の大橋」広重の模写

セガンティーニを知っていますか?

セガンティーニという画家をご存じだろうか。美術界ではちょっとマイナーな画家なのでこの名前に馴染みのある方は少ないと思います。
この画家は1858年イタリアのミラノ生まれですが生国のイタリアよりスイスの方が有名な画家なのです。
両親とは幼い時に死に別れ、遠い親せきで幼少期を過ごしたため家族愛には縁遠い少年時代を過ごしました。
それでも天性の才能でしょうかデッサン力はずば抜けていたそうです。そのため絵の教師などの仕事にも恵まれ十分な収入もあったそうですが金遣いの才能はなっかったようで借金がかさみ、その借金取りから逃げるようにスイスにやってきたとのことです。
彼の作品の多くはそのスイスのアルプスを題材に描かれています。
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どうです? 澄んだ青空と穏やかで明るい光、そして新鮮で草の香りがする空気、なんと爽やかな作品ではないですか。
点描画の技法なども積極的に取り入れ柔らかな画質が観る者の気持ちをさらに爽やかにするように思えます。