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長谷川久蔵 「桜図」 京都 智積院




 
 
 作品説明

 1593年 長谷川等伯の息子、久蔵の作と云われている。この作品も父等伯の「楓図」と同じように祥雲寺の障壁画として描かれたもので長谷川一門の間では久蔵の作品は「精密で清雅」であるとして評価も高く将来を嘱望されていた。
作品は何とも緻密で精細だが高貴で誇り高くもある。久蔵はこの作品の完成後急逝するがその死因の説として久蔵の優れた才能に危機感を抱いた狩野派によって毒殺されたという噂が立ったほどだ。秀吉の子「鶴松」の三回忌法要のために描かれたこの作品を観た秀吉の胸中はどのようであったろうか、そして大事な息子であり自身の後継者として
その才能を表し始めた久蔵の死を見つめた等伯はどのような思いであったのだろう。
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