ルネサンス複製画


最後の晩餐(サンタ・マリア・デッレ・グラーツェ教会 イタリア・ミラノ)

レオナルドダヴィンチの傑作「最後の晩餐」はイタリア・ミラノの中心から1km強西にあるサンタ・マリア・デッレ・グラーツェ教会の修道院の食堂の壁画です。この壁画は傷みが激しく、一度に入る人数と時間を制限して状態を保っているため、チケットの入手が難しく、ネットでも予約は受け付けているものの常に完売の状態です。今回は日本出発前に旅行会社を通じて何とかチケットを入手することができました。本来は8ユーロのチケットが、な、何と35ユーロ!でもどうしても見たかったので、奮発して購入、2.5ユーロで音声ガイドを借り、15分に制限された鑑賞をしてきました。

壁画は縦に長い食堂の一方の壁(短い面)に描かれています。幅は約10メートルほどでしょうか。全体的な色味は薄く、塗料の剥落が激しいのがわかります。それでも残っている色鮮やかなブルーが印象的でした。
遠近法を使った描写で、長い壁の延長にキリストと12人の使徒が食事をしているような印象です。近くで見るとそれぞれの人物が鮮やかに浮かび上がる感じです。少し離れて見ると遠近法と光の巧みな描写の効果で、まるで同じ食堂の向こう側に彼らがいるようです。荘厳な中にも光り輝くような圧倒的な存在感でした。
キリストの足の部分は扉で切り取られてしまい、見ることはできませんが、足が軽く組まれているだろうと想像され、十字架に掛けられることを暗示しているそうです。
この絵が良い状態で保存されていたら、どれほど素晴らしいでしょう。残念でなりません。

最後の晩餐の向かいの壁にはジョヴァンニ・ドナト・モントルファーノの「十字架上のキリスト」が描かれています。最後の晩餐と同時期に描かれたのですが、異なる技法を使ったこちらの方が保存状態ははるかに良く、はっきりと読み取ることができます。典型的な宗教画で、絵としてはこちらも素晴らしいのですが、最後の晩餐の今にも動き出しそうな緻密な描写に比べると、正直見劣りがします。

「あなた方のうちの一人が私を裏切ろうとしている(汝等の一人我を売らん)」とキリストが言った瞬間の使徒達の動揺を描いたとのことですが、キリスト教徒でもない私には登場人物の詳細やストーリーの流れはわかりません。数年前に読んだ小説「ダヴィンチコード」の詳細も忘れてしまいました。これらを把握して鑑賞すればより楽しめると思いますが、知らなくても芸術作品として十分楽しめました。
チケットが入手しにくいというのが難点ですが、ツアーの中にはここが入っているものもあるでしょう。世界遺産でもあり、一度は見てみたい傑作です。