イタリア・ローマ市内の一角にあるバチカン市国。世界でもっとも小さな国です。
ここにはカトリックの総本山、サン・ピエトロ大聖堂があり、その脇に歴代の法王が集めた美術品を収蔵、展示しているバチカン美術館があります。
サンピエトロ大聖堂
もっとも有名な収蔵品はシスティーナ礼拝堂にある、ミケランジェロの最高傑作と言われる「最後の審判」です。
この美術館、ローマ法王が居住しているバチカン宮殿内にあり、とにかくでかい!
すべてを見るには数日間が必要とのこと。キリスト教に関わりが深いのですが、宗教も権力の一つであると思わざるを得ない規模の大きさです。
大聖堂のクーポラから見た美術館
長蛇の列ができると覚悟して行きましたが、特に待つこともなく入れました。現地時間の午後1時少し前でした。
美術館としては少しお高めの14ユーロ。
最初はベルギーで作られた大きな絨毯が何枚も壁に飾られていました。宗教画が描かれています。その次は地図が壁に飾られていました。こんな地図を見つつ、世界に思いを馳せたのでしょう。
ラファエロの荘厳な天井画が描かれた部屋を抜け、いよいよシスティーナ礼拝堂へ。ここへたどり着くまでの道のりの長いこと。
高い天井の礼拝堂には大きめのキリスト像があり、その後ろの壁面に最後の審判は描かれています。全体的に暗めの中、鮮やかなブルーが目を惹きます。とにかくその壁面が大きく、高い。ミケランジェロの彫刻を思わせる躍動感あふれる絵が描かれています。
礼拝堂を抜けると近代絵画が何点も展示されている部屋を抜け、絵画館へつながっていきます。興味のない方はそのまま出口へ抜けられます。
絵画館は概ね年代別に各部屋に展示されています。やはりほとんどが宗教画です。1300年代の絵が最初に展示されていますが、その完成度の高さに驚きました。豪華な装飾が施された絵が数多くあります。普通の美術館とは少し趣を異にします。
ラファエロの「キリストの受容」は少し暗い部屋の中、照明の中に浮き上がります。大きな見事な絵です。隣の部屋にダ・ビンチの「聖ヒエロニムス」がありましたが、ここではラファエロの色彩の鮮やかさ、描写の緻密さに圧倒的な存在感がありました。
このほか彫刻や、エジプトのミイラなどが展示されている部屋もあり、規模の大きさに驚かされました。
ついでに隣のサン・ピエトロ寺院のことも少し触れておきます。
入場に長蛇の列が出来ていますが、金属探知機を通るための列で、思いの外早く通過できます。
中に入るとやはりさすがカトリック総本山。大きさといい、美しさといい、見事なものです。色々な教会を見てきましたが、やはりここが規模ではナンバーワンと言えます。
中にはミケランジェロの「ピエタ」などの彫刻が数多く置かれています。
セキュリティを抜け、聖堂へ入る階段は3つに分かれており、一番右はクーポラ(ドーム)、真ん中は地下の墓所(?)、一番左は一番広くて聖堂の中へ入れます。クーポラのみ有料で、階段のみ利用と、エレベーター利用で料金が異なります。エレベーターと言っても上れるのは半分程度で、最後は階段を上らなくてはなりません。クーポラの上からはバチカンとローマを一望できる素晴らしい景色が待っています。
ミケランジェロやベルニーニの手掛けたこの大聖堂、ローマへ訪れた際は必見です。