ルネッサンスを開花させた美しい古都、フィレンツェ。大変綺麗な街でした。
旅行シーズンなのか、どこもかしこも人で一杯。ローマから日帰り旅行をしましたが、人が多くて予定していた行程の半分程度しかこなせませんでした。日本で言う修学旅行シーズンなのでしょうか、高校生くらいの若者の姿が目立ちました。こぢんまりとした街で、徒歩で名所はすべて回れます。
ミケランジェロのダビデ像があるアカデミア美術館は長蛇の列で断念。ウフィッツィ美術館へ向かいましたが、ここも同じ。チケットを買う列に並びながら、帰りの電車に間に合うか不安がよぎりました。時間の余裕を持ってお出かけください。
さて、この美術館、中世からルネッサンスのイタリア美術の収集では世界屈指の美術館だそうです。
有名な展示品に、ボッティチェリの「ビーナスの誕生」、「春」それにダ・ビンチの「受胎告知」があります。
「ビーナスの誕生」は大変有名で、どなたでも目にしたことがあると思います。
構図の妙と言いましょうか、色合いは照明と前面に貼られたガラスの影響もあるのか、薄めの感じですが、何とも言えぬ穏やかさを醸し出しています。
同じ部屋の「春」は、意味するところが謎だそうですが、引きつけられる魅力にあふれています。
隣の部屋にはダ・ビンチの「受胎告知」が。参りました、この絵には。明暗と遠近法、それに細部の描写の見事さ。天使の羽などすごいの一言です。この絵の印象が強烈すぎて、その後の絵があまり目に入ってこないくらいでした。「モナリザ」や「最後の晩餐」よりも強い衝撃を受けました。
ダ・ビンチ未完の「東方三博士の礼拝」も隣にあります。未完の絵ながら見事な構図が窺えます。
トリブーナ(特別展示室)の薄暗い空間の中に、おっと引きつけられる絵がありましたが、ラファエロでした。
フィレンツェに現存する唯一のミケランジェロの絵画は、彫刻のような筋骨隆々とした躍動感にあふれる絵でした。
ナショナルギャラリーでも見たモローニの肖像画も。その当時の人物が浮き出てくるようです。
これレンブラントに似ているなと思ったら、やはりレンブラントでした。ナショナルギャラリーと同じで、若い頃と晩年の肖像画が。まさかここでレンブラントに出会うとは思いませんでした。
規模の大きな美術館で、多くの絵を楽しめますが、前述した「ビーナスの誕生」「春」「受胎告知」を見るだけでも価値があると思います。
右上の塔の向こう側の建物が美術館
見所一杯のフィレンツェですが、是非お立ち寄り頂きたい名所の一つです。